なんだろう。。。この生き物は。。。
わからない。はじめてみるよ。
見ているとすごいな、すごいなあ!と
ざわざわと高揚して来てしまう。
すごい!
だけど何かがすっきりしない。
そこに見えているのは私でしょう?なんでこんなに見えないんだろう。
見えないところがまるでブラックホールのように、私を吸い込んでいくようにさえ思う。
私知っている。この生き物知っている。
少しずつ少しずつ過去を吸って、
躰の中でちょっとずつ変容させて、真っ白にして、
それがパズルみたいに組み合わさって、
出来上がっている生き物。
天然の木目で、それが見たこともない木目に見えるんだけど
だけど本当はただのつぎはぎなの。
天然目変容躰というらしいです。
そうなの、初めて知った。
でもどうどうとそこにいれば、それは生き物として認識されるのね。
私たちは少しずつ吸われて、呑み込まれて、
自分のカケラの匂いがする見たことのないものに
高揚していくのだわ。
私知っている。この生き物知っている。
昔からいるのよ、街角の路地とか、床と床の隙間とか、雲のない空とかに。
じっと見ていてごらん。すっと隠れるから。
だって実は私もこの生き物だったことがある。
名前がつく前のお話。