「コロナ」と聞くだけでもううんざりだったりしますが、皆さんはこの春、どんな風にどんなことを感じて過ごしたでしょうか。

海の口ピアノ教室はできるギリギリまでレッスンをしていましたが、だんだん私の中の迷いや心配が膨らんできてしまったので、思い切って4月半ばからおやすみにさせてもらいました。
同じ時期、私の演奏の仕事は全て延期または中止になり、もちろんイベントを組むこともできず、何もなくなってしまいました。感染症の状況には不安になりましたが、このポッカリ開いた時間に、今までそのままになっていた片付け、家の掃除、パソコンの中の整理、HPの更新、新しいCDアルバムの制作、やってしまおう!と、立ち上がり、かなりすっきりしました。そんなわけで、実際全然暇ではありませんでした。ただ、この時間にこれをしなければならないという「縛り」が全くなかったので、暇ではなかったけど、忙しくもありませんでした。
ああ、ひょっとして、「忙しい」というのはこの時間の余白のない状態をいうのかなと思いました。
時間の余白、何かに思いを馳せたり、景色を眺めてみたり、花を摘んでみたり。。。タバコを吸ったり、コーヒーを飲んだりする時間は、余白を作っているのかもしれませんね。ピアノを弾く時間もそうかもしれません。
一人ずつのレッスン時間を多めにとってレッスン徐々に再開してみて、1日のレッスン人数は少なくなりましたが、これくらいが丁寧に教えられるなとも思いました。レッスンの余白。そういえばかつては一人1時間くらい余裕を持って時間をとって、長引いたらその時間を使えるし、早く終わったら次の子が来るまでお茶を一杯も飲んだりしてました。人数が増えてきたので45分で区切ってぴっちりと入れ替わり立ち替わりレッスンするようになり、決して適当にはなっていなかっと思いますが、何かこの教室の良さというか、質みたいなところを大事にできていただろうか?やっぱり遊び心、想像力、それが音楽というところだと思うので、私の余白、がまずなくなってはいけないと思ったのでした。ひとつのやるべきことに、余白があるだけで、「やらなくてはならないこと」にならないのだなとつくづく思いました。

このコロナ騒動は早く落ち着いてほしいなと思います。とはいえ、ウィルスのことですから、地球上のバランスとして何か理由があってこのウィルスは登場したのだと、私は考えます。ウィルスを抑える薬ができたとしても、バランスが同じようでは、またきっと違う形で私たち人間が困ることになるのではないかと思うのです。私はまずこの「余白」が神のお告げと思って、大事に過ごしていきたいと思ってます。皆さんも何か思うことあったら、是非それを大事にお過ごしください。家族で過ごす時間もとても良かった。そして外に出る時間もやっぱり大事。コロナ前の状況に戻るのではなく、新しく日々を作っていきたい、そんな風に思います。

というわけで、しばらく発表会などもできませんし、ゆったりとレッスンしてピアノを楽しんでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

海の口ピアノ教室 お便り『海のかけら』6月より抜粋